土地を売るとき近所の不動産屋を選ぶメリットとデメリットについて書いていく。

僕が2,000万円で売った土地は、住んでる場所から遠く離れた田舎にあった。最初は、土地の最寄りの不動産屋へ依頼していたけど全然売れなかった。

売れない期間が長く、宣伝活動の方法に納得いかなかったので、これだともう一生売れないだろうなと思い、違う不動産業者へ乗り換えた。結果、売れた。

そうかといって、田舎の土地を売りたい人全員に、土地近所の不動産屋を勧めないわけではない。地元密着型の不動産屋にも、実はメリットがたくさんあるからだ。

要は、僕が売りたかった土地の特徴に、その田舎の不動産屋が合ってなかっただけ。

大切なのは、売却を依頼する不動産屋が、あなたのためにどんな営業努力をしてくれるのかを、媒介契約前にしっかり知っておくことだ。そうすれば、あとで不動産屋の働きにがっかりするリスクは減るだろう。

そして、もっと大事なのは、売却を依頼する不動産屋が地元であろうとなかろうと、必ず査定だけは複数の不動産業者へ依頼しておくこと。

どんなに自信満々で感じの良い不動産屋でも、売り出す値段を間違えることはある。ひとつの不動産屋で査定をしただけだと、その査定額が適正かどうかの判断ができない。

結果として、売れた金額を数百万単位で損するケースもある。

僕なんて、安い査定と高い査定を比較したら220万円も違ったよ。

不動産を売り出す前は、必ずその土地やマンションがだいたいどれくらいで売れるものなのかという相場を掴んでおかなくちゃいけない。それから営業態度や宣伝方法に納得のいく不動産屋を選ぶんだ。

この選び方と順序が重要。以下では、もっと詳しく説明していく。正しい不動産屋を選び、田舎の土地でも早く高く売るための方法だ。

特に土地の近所の不動産屋を選ぶべきか迷っている人に役立つと思う。

最新情報! 少しでも不動産を高く売る「賢い方法」とは?

ハーリーハーリー

僕も以下の方法で土地を売った。最初に売り出した値段より230万円高い2310万円で売れた。

不動産の賢い売り方とは?

田舎の土地が売れない理由、売りにくい原因

最終的には2300万円以上で売れた僕の土地だけど、売却中の悩みをあげれば、同じような田舎の土地の売却に苦しむ人は、「うんうん、私も同じ」と深く頷いてくれるはず。

田舎の土地のデメリットは、「売れない」へ直結する

僕の土地は住んでる場所から遠く離れたとこにあった。なんでそんな遠くに土地を持ってるの? と聞かれたら、相続したからだ。自分で買うならもっとマシな立地にある土地を選ぶよ。

土地のあった場所をもう少し厳密にいうと、富山県の高岡市だ。いちおう新幹線は止まるみたい。でも、土地売却の用事で何度か訪れたけど、駅前に人気はほとんどなかったな。

土地は駅を下りてタクシーで、さらに市内の奥地へ行ってやっと見つかる。交通の便が悪く、宅地なので商売もできない。住まないとすると、利用価値がない土地だった。

それでも先祖代々引き継いで来た土地だし、330坪と大きな土地だったこともあって、売却するのはもったいないなあという気持ちも、正直いえば、あった。

土地には固定資産税がかかる

でも、売らない土地に延々と乗っかかってくる固定資産税のことを考えるとやっぱり売りたい。

せめてコインパーキングにでもできたらなあ。固定資産税とトントンくらいには利益を生んだかもしれない。それなら、売らずに所有し続けたと思うよ。

売らずに済む方法をいろいろと検討したけど、結局はなんの良い解決策も浮かばず、固定資産税というお金を食うだけの土地を売ることに決めたんだ。

でも、売ると決めても売り方がわからない。土地の相続なんて初めてだよ。土地の売却もしたことがない。全部が未経験のこと。

遠くにある土地の相場は調べにくい

遠く離れた場所にある土地だ。土地勘がないため、その辺の土地がだいたいいくらで売買されているのか相場もわからない。売り出しにいくらつければいいか見当もつかないわけ。

そこに現れたのが、土地の最寄りの不動産屋だった。土地がある近辺を地元にした小さな個人事務所。40年くらいの営業実績を持ち、地元近所に強い販売網を持っている。

頼る不動産屋がおらず、土地の近所に住んでいたことも理由にそこに売却を預けた。

地元密着型の不動産屋は、相性が悪いと「売れない」

結論から言うと、その土地から最寄りの不動屋さんとは決裂した。確かに近場で良い評判を持つ不動産屋だったかもしれないが、僕の土地とは相性が合わなかった。

土地の広さが330坪だった。その土地を一括で購入してくれる買い手を探したかった。土地を分割して売ることを「分筆」という。分筆で売るのは絶対に避けたかったんだ。

330坪の土地を一括で買ってくれる人は、近所だけに配るチラシや土地に打ち立てる看板だけでは見つからなかった。売却網が狭すぎたのだと思う。

不動産屋の連絡方法にもストレスが沸いた。地元だけで長く営業を続けていた社長さんだった。いままでお客さんとの連絡は電話か接見での対応で事足りていたのだろうIT活用がぜんぜんダメだった。

近所に住んでない僕は、メールで連絡を取り合いたかった。見積書が封書で送られてきたときには泣けた。メールにしてくれと言ったら、メールは相手に届いているかどうかわからないから不安だと断られたよ。

売る前の査定は必ず相見積を取ること。220万円もの差が出た

でも売れなかったのは逆に幸運だった。この不動産屋を解約したあと、複数の不動産業者で土地の査定をしてもらった。

結果は、査定額に220万円も高値が付いた。最初の不動産屋で売れてたら、その220万円を損したことになる。

だから仮にあなたが、すでに売却を依頼する不動産屋を決めていたとしても、念のため必ず他社で査定しておくことを勧める。

査定は一括査定を使えば、ひと手間で複数の不動産屋から提案をもらえる。そのひと手間で数百万以上得するんだよ。売れそうな最も高い相場を知ってから、地元近所の不動産屋に売却の依頼を決めても遅くはない。

少しでも高く売却するための不動産会社の選び方

田舎で近所の不動産屋へ売却依頼するときのメリット

僕にとっては、悲しい結末を迎えた地元密着型の不動産屋だったけど、本当はメリットもある。

地元に密着した深い販売網

その土地で古くから営業していると、当然昔から馴染みのお客さんを数多く抱えている。知人も多く、一般の人、店舗経営者、会社経営者、同じ不動産業者の仲間など独自のネットワークが自然に形成されてる。

すでに、こういう条件の土地やマンションを探している人がいる」という情報を持っているので、その条件に合致した売却案件が入ると、すぐに買い手を見つけられる。

だから地元密着型の不動産屋の場合は、早期売却が珍しくない。

購入希望者と身近に接客してもらえる

住んでいる場所から遠方にある土地を売るときは、その土地の最寄りにある不動産屋へ依頼すると、軽いフットワークで動き回ってくれる。

鍵を渡しておけば、気軽に購入希望者の内見や現地調査へ対応してもらえる。この点では確かに僕も助かってた。

一時期は家が土地の上に立つ状態で、買い主を探していた。内見希望者への対応は立地的に僕が無理だったから、いつも近所に住む不動産屋へ対応を任せていた。

他にも、役所へ行って必要な書類を集めたり、作ったりするのも、土地近所の不動産屋なら小回りを効かせて素早く身軽に対応してくれる。

遠くの田舎で近所の不動産屋へ依頼するときのデメリット

僕にとって、悲しくも最高のパートナーにならなかった土地の最寄りの不動産屋について、僕が思った弱点の方を掘り下げてみる。

販売網が狭い

販売網が深いことは大きなメリットだったんだけど、一方で売却のターゲットの範囲が狭いことが、僕の土地が売れなかった一つの大きな理由だと思ってる。

そう、地元密着型の不動産屋の販売網は深いけど、狭いんだ。

特に田舎で年季の入った、地元で評判の良い不動産屋はネットを活用していないことが多い。それでも近所で売買が成立してしまうことが多いのだろう。

でも、僕のように、欲しい人が少ないレアケースの土地の場合は、狭い販売網では買い希望の人がなかなか見つからない。

仮に富山県の奥地にある土地でも、ネットで物件情報が全国に開けていれば、田舎暮らしに憧れた人からのお問い合わせがあるかもしれない。

ところが、自分自身がメールさえも使わないパソコン音痴の方からすると、ネットの効果なんてぜんぜんピンと来ない。理解できない方法に頼って、営業するつもりはないわけだ。

宣伝活動が低調で活発でない

僕は、なんでもネットで検索する。もちろん不動産を探すときも、そして今回売るときもそうだった。

不動産を最近探したのは、3年前だ。起業するため事務所が必要だった。

ただ事務所用の物件を不動産物件の検索サイトで探したわけではない。事務所に利用するための部屋はどんな内装で設備がいいか、貸主との契約方法は法人か個人名義のどっちが適しているかなど、事務所を借りるために備えておくべき知識も検索で得た。

だから、物件の情報をネットで露出しないことが信じられなかった。それで売れる土地なら、そのままの宣伝方法でいい。

でも売れないなら、違う売り方も考えてほしかった。

宣伝といえば、近辺の住宅へのチラシのポスティング。同じ地域へ何度も同じチラシを配っても、購入希望者は見つからないだろう。

土地に突っ立てた、「この土地売ってますよ」の看板も、土地の前の通りを毎日歩く、同じ人が見るだけだ。

僕の不動産屋が特にそうだったのかもしれないけど、めちゃくちゃノンキな人だった。

不動産屋の給料は成功報酬だ。不動産が売れれば、売れた値段のうち決められた割合が報酬として得られる。地元で自然に売買や賃貸される不動産をある程度抱えているなら、僕のような売りにくい土地に必死になる必要はない。

「売れたら儲け」くらいの気持ちで、あまり熱心に宣伝活動へ励んでくれているという印象はまるでなかった。

少しでも高く売却するための不動産会社の選び方

地元と遠方の不動産屋へ同時に売却の依頼をすることもできる

じつは、不動産の売却は同時に複数の業者へ依頼できる。

土地の最寄りの地元密着型不動産業者と土地から離れた不動産屋へ並行して売却を任せることができるのだ。

これなら、地元密着型の深い販売網を利用しながら、遠方の不動産屋の特技を活かして売却に取り組める。

さっきも言ったけど、不動産屋へ土地の売却が成功できたときに払う仲介手数料は、成功報酬だ。簡単に言えば、売れたときだけ払うお金。

複数の不動産会社と契約したからといって、2倍、3倍に手数料を払わなければいけないということではないので、安心だ。

売却前の不動産査定だけは複数社へ依頼すること

どこの不動産会社へ任せるか。結論を出すのは難しいけど、やっぱり複数の不動産会社を比較して選ぶべきだと思う。

選ぶポイントは査定額と販売戦略。

査定額は、もちろん高いに越したことはないけど、高すぎると売れない。結局、売り出し期間中に値を下げることになる。

そうかといって低すぎる査定は損だ。安く売り出すと、本当は儲けられた金額の分を失うことになる。

だから、査定額の根拠は必ず不動産会社に確かめなくちゃいけない。査定額を決める基準は不動産会社によって異なる。どうして、この査定額になったのかを聞いて、プラス、どんな方法で売却を成功させるかも聞く。遠慮せずに。

必ず不動産会社によって、その答えが違うから、納得できるところ、信頼できるところを選ぼう。

不動産屋へ査定を依頼すると、しつこい電話営業や訪問営業に遭うかもと不安がっている人がいる。本当は逆。しつこいくらいに、こっちから査定額の根拠と不動産の宣伝方法を聞くのが正しい。

断り方が下手な人はひとこと「他の不動産業者を専任で契約した」といえば、引き下がってくれるはずだ。

不動産を早く高く売るには、正しい値段と正しい宣伝方法で売り出すことに尽きる。そのためにまずはしっかり査定をしておきたい。

少しでも高く売却するための不動産会社の選び方