マレーシアに移住したいなあと考えてて、現地の生活費が気になってる人へ。赤裸々な僕の1ヶ月の家計簿がここにあるよ。

マレーシアの首都、クアラルンプールで1ヶ月間暮らしたときの生活費の内訳だ。

家族構成は奥さんとの二人暮らし。引っ越しが多いのであまり物は買わず、普段はなるだけ家で自炊をしてる。

そんな僕らの家計簿を参考に、移住後の家計の予算を立ててみるといいよ。

クアラルンプール 1ヶ月の生活費は16万円

項目 金額 割合
家賃 ¥55,000 34%
食料品 ¥21,212 13%
外食 ¥13,908 9%
カフェ ¥2,321 1%
その他食費 ¥186 0%
使途不明金 ¥5,434 3%
交通費 ¥2,398 1%
電車 ¥132 0%
バス ¥651 0%
タクシー ¥11,610 7%
その他交通費 ¥394 0%
スポーツ ¥13,290 8%
旅行 ¥25,420 16%
コンビニ ¥1,099 1%
日用品 ¥4,495 3%
衣服 ¥2,401 1%
携帯電話 ¥1,799 1%
雑費 ¥1,728 1%
合計 ¥163,478

普通に日本で夫婦二人の生活費っていくらくらいなんだろう?

そんなの住んでるのが東京や大阪のような都会か、高知の奥の限界集落かによってまったく変わるよね。

収入が多ければそれだけ支出も増える。車が趣味、ウォーキングが趣味の人では消費の趣向が変わるから。夫婦二人暮らしという条件だけでは簡単に平均値は出せないか。

ただマレーシアの物価は日本の3分の1だと言われてるよね。それが真実なら各人の日本の生活をそのままここマレーシアへ持ち込んだ場合に、生活費も3分の1になるのかな。

よし、確かめてみよう。

僕らふたりが16万円で生活する様子を伝える。その生活が日本だといくらくらいかかるのかを想像してみるんだ。

支出の内訳の中から目立った項目を選んで、生活の中身を見せてみる。

クアラルンプール 生活費の詳しい内訳

家賃 5.5万円

5.5万円。

支出のうち3分の1を占める大きな固定費だ。安く抑えられれば、家計はずいぶん助かる。

でも、あまり安い家賃は、クアラルンプールだと心配。セキュリティが不安だから。

ひと月5.5万円のコンドミニアムは、かなりしっかりしてる。

棟内へ入るまでにまずセキュリティゲート。車と歩行者の出入りを、門番がいちいちチェックしてる。専用のアクセスキーがないとゲートは開かない。

コンドミニアムの棟内へ入る直前にもオートロックのセキュリティドアがある。そこもアクセスカードが必要。ピッとやって開いたドアから入りロビーを抜けたところにエレベーターホールがある。部屋へ行くエレベーターは、アクセスカードを通さなくちゃ動かない。

すごいよね。ここまで強固にしなくちゃいけないマレーシアの治安が不安になるけど。

さて、セキュリティだけじゃなくて設備も充実してるよ。プールとジムは当たり前で、他にサウナでしょ、ジャグジーでしょ、プレイルームもあってリーディングルームまである。料理のできるパーティーホールがあるのには驚いた。マレーシアは、激しく雨が続く日が多い。外に出られなくても、コンドミニアムの中で全然遊べる。

日用品のストックが切れたとき、なんだか自炊する気がわかないとき、そんな緊急時には1階にあるコンビニと食堂が頼りになる。生活が全部コンドミニアムの中で収まる感じ。便利なんだよね。

もしこれくらいに整ったコンドミニアムに日本で住むとしたらいくらくらいかかるのかなあ? そんな生活は、あまりにも僕らのレベルからかけ離れてるから、だいたいの家賃の相場もわからないよ。

でもクアラルンプールなら5.5万円だ。5.5万円は、僕が大学生の頃に大阪の阪急線淡路駅で一人暮らしをしてたワンルームのアパートと同じ。そう考えると、マレーシアの住宅事情は恵まれてる。日本と比較するとコスパが異常だよ。もちろん良い方向にね。

食材費 21,212円

マレーシアは全般的に外食文化が浸透していて、自炊は一切しないという人も珍しくない。その辺の屋台では100円でもまともな料理が食べられるし、フードコートの500円はわりとごちそうに値する。

それでも僕らは自炊した。旅行なら毎日でも興奮するローカルフードは、住むとなると毎日はキツイ。どうしても野菜不足が気になるし、たまには舌の慣れた日本食も味わいたい。

毎日の献立はだいたいこんな感じ。朝はだいたいマンゴーとドラゴンフルーツ、昼は味噌汁とご飯。仕事の合間のランチに調理時間はかけられないから。夜はご飯と一品をなにか作る。野菜炒めだったり、野菜スープだったり。そして夜にもフルーツを食べる。

フルーツを毎朝毎晩食べてる。なんてお金持ちな響きなんだろう。

でもここマレーシアは本当に果物が安いから。日本のマンゴーの値段をマレーシア人に教えてあげると腰を抜かすよ。もちろん日本のは、マレーシアが簡単に真似のできない農家の工夫が凝縮された最高の一品だからなんだけど、他の果物を考えてもマレーシアと日本では手に取る手軽さがぜんぜん違う。

外食費 13,908円

外食の回数は、平均で週に3回くらい。

外食といってもピンキリで、だいたい僕らはキリのほう。気取らず屋台やフードコートで済ますことが多い。

特に気に入ってるのはlot10というショッピングモールの地下にあるフードコート。バクテーや福建麺とかのB級グルメを出すクアラルンプールの有名店が集結してる。いつもどれを注文するか迷うんだ。

落ち着いた雰囲気でゆっくり食事を味わいときがある。1週間働いたあとの〆の金曜夜は特に。

そういうときは鼎泰豊。マレーシアは全然関係なくて台湾料理だけど、台湾だとめちゃくちゃ並ぶから行きたくないんだよね。値段は日本よりもお得で、大好きな小籠包を遠慮なく食べられるんだ。

インド料理でおすすめのお店もある。一戸建てを改造したレストラン。インド音楽のライブを聴きながら、スパイスの効いたカレーと熱々ふっくらに焼かれたナンを楽しめる。

祇園祭があるときの一ヶ月を京都で過ごした。そのときの外食費が3万円くらいかかってる。マレーシアと大体同じペースで自炊と外食をしてたから、費用だけを見るとマレーシアは半分くらいで済んでるね。

日本も外食がずいぶん安くなってる。しかもうまい。あのクオリティをあれだけの安さで出せる国はないよね。行く店をちゃんとわかってれば、日本の方が安くておいしいものを食べられるのかも。僕らの場合は、マレーシアの方がだいぶ安く済んでるけど。

タクシー 11,610円

このタクシー代は目立つなあ。でもこの月は仕方なかった。マレーシアの移住ビザを申請するため、銀行とか役所に毎日奔走してたから。

クアラルンプールの交通の便は悪いよ。車持ちじゃない人は泣く。KLCCやブキビンタンみたいな繁華街まで無料のシャトルバスを出してくれるコンドミニアムもあるから、車を持ってない人は探してみるといい。交通費を節約できる。

スポーツ 13,290円

ムエタイジムの月謝、二人分。日本の空手は月1万だから、半分くらいなんだね。フィットネスが目的の人は、コンドミニアムのジムに行けばいい。ジム代は節約できる。

旅費 25,410円

この月は2回行った。マレーシア国内旅行。

クアラルンプールは旅行好きには本当におすすめの拠点になる。東南アジア周辺国への航路はほとんどがエアアジアに制覇されてるね。おかげで安く気軽に海外旅行できる。

マレーシアの国内旅行は安い。この月はイポーとマラッカへ、それぞれ二泊三日したんだ。バスで行って、泊まったのはわりと居心地の良いちゃんとしたホテルだったよ。朝食付きでベッドもふかふか、シャワーの水圧、温度ともに最高だった。湯船もついてたからね。

それでもこの値段。嬉しい。

マレーシアなら、これくらい安くても旅行を充分リッチに楽しめるけど、日本はまず交通費が高いからなあ。そしてホテルはなぜかひと部屋二人分の値段を請求される。

日本国内だとこうも気楽に旅行には行けないだろうな。

衣服 ¥2,401

全然お金を使ってないところだけど、衣食住の「衣」にあたるわけだからね。一応説明しておく。

マレーシアは本当に服いらずで生活できる。いつも同じ短パンとTシャツを着てるよ。

雨量の差はかなり激しくあるけど、気温は年間通して大きく変わらない。シーズンごとにたくさんの種類の服がいる日本とは違う。服を買う必要が本当にないんだ。

奥さんは僕にもっとちゃんとした服を着てほしそうにしてるけどね。

さて、以上が僕ら二人の家計簿の詳細だ。これを参考に移住後の家計を占ってみるといいけど、3点ほど注意しておいたほうがいいことを付け加える。生活費の収入源についてだ。

  1. 移住ビザで生活費は稼げない
  2. マレーシアで働く日本人の最低給料は5,000リンギット
  3. 日本の生活の持ち込み方しだいでは生活費が2倍になる

移住ビザで生活費は稼げない

マレーシアへ10年間滞在できるMM2hビザ、通称移住ビザ。リタイアメントビザなんて呼ばれることもある。

この移住ビザは、特にリタイア世代に人気がある。定年まで仕事を頑張ったご褒美に、マレーシアで悠々自適に暮らしていくのだ、と考える人が多いからかな。

移住ビザは、就労を禁じてる。マレーシア国内で働けないんだ。一つだけ例外があって、50歳以上は週20時間以内のアルバイトなら許される。でもマレーシア基準の時給20時間で得られる賃金は、生活費を支えるには物足りない。お小遣い程度にしかならないだろう。

働くことができないということは、収入がないということ。貯金の利子や投資の配当で生活が回る人は本当に限られてる。普通は収入がない場合は、貯金を切り崩すことになる。

年金世代なら年金収入があるけど、これもこれからは生活に不足しないほど満足いく額をもらえる人は減っていくだろうし。

だから特に移住ビザでの移住を計画してる人は、可能な限り貯金しておこう。本当なら解放感いっぱいのマレーシアで、資金が底つくのをビクビクしながら生活するのは、悲しすぎるから。

マレーシアで働く日本人の最低給料は5,000リンギット

マレーシアで職に就きながら、暮らしていきたいという人もいるよね。

マレーシアで働くには、働き口の会社から就労ビザを出してもらう。就労ビザには政府が決めたルールがあって、会社は日本人の雇用に少なくとも5,000リンギットを払わなくちゃいけないんだ。

5,000リンギットは日本円にすると13〜14万円くらい。僕が晒した生活費には少し足りないけど、暮らしていくことは全然可能だと思う。

でも身寄りのない外国で、給料カツカツの生活はおすすめできない。節約暮らしだと貯金にまでお金が回らないよね。もし体を壊して、あるいは、事故にでもあったりして休職を余儀なくされたときを想像してみて。

収入源が途絶えて、心許せる身内や友達がいない外国で貯金を切り崩して生活していくのは恐いよ。

だから求人へ応募するときは、もっと待遇の良いところを狙う。誇れるスキルがなく、高給の仕事に就けそうになければ、伸びしろのある会社を選ぼう。最初は安くても、昇給のチャンスがちゃんと定期的に与えられるならいい。

マレーシアにもブラック企業はある。貯えがなければ、次の職場へ移る勇気が出ない。可能であれば、1年くらい働かなくてもいいくらいの貯金をしてから、マレーシアでの就職を目指したほうがいい。お金の余裕が移住生活を支えるんだ。

日本の生活の持ち込み方しだいでは生活費が2倍になる

リタイア世代の方はとくに日本にいた期間が長いから、マレーシアの味に染まるのが難しい。日本の食生活に慣れきった舌がマレーシアでの生活コストを2倍にするんだ。

マレーシアのローカルフードは安い。食材もスーパーで買えるものは、ほぼほぼ日本の半値から3分の1で済む。でも、日本食のレストラン、日本食材は2倍の値がつく。

食は生活を支えるベースだよね。命を作るわけだから。実際、マレーシアの食生活に馴染むことさえできれば、移住はうまくいく。そんなふうに言い切れるほど、食への適応が移住生活の明暗を分けるんだ。

そういえば日用品に日本製を求める人もいるね。歯ブラシ、シャンプー、化粧水。やっぱりメイドインジャパンが最高だと惚れ込んでる。でもこれも日本で買うより2倍高いから。

こんなふうに日本の生活水準をそのままマレーシアへ持ってくると、生活費が2倍かかるハメになる。

マレーシアの生活費を安くするコツ

結局は、現地の生活に溶け込むことがコツ。

マレーシアの食べ物に慣れたモン勝ち。1食100~300円で幸せな満腹感を得られる。

マレーシア人と慣れたモン勝ち。移住した日本人ばかりで遊ぶと、交際費が積む。マレーシア人と仲良くなって遊びに行くところは、現地人だけが知る穴場でお金も安く済むことが多い上に、絶対にガイドブックには載ってないようなところだから、すごく得した気分になる。

インド系のマレーシア人が遊びに行くところ、中華系のマレーシア人が遊びに行くところ、マレー系のマレーシア人が遊びに行くところ、全部違うからね。

日本人と仲良くすることを否定してないよ。日本食も。僕も言葉が通じる日本人とやっぱり安心するし、寿司、お好み焼き、大好きだよ。

ただ、せっかくマレーシアに生活を求めに来るわけだから、マレーシアならではの暮らし方も積極的に味わってみてもいいよね、って話なだけ。慣れた分だけ支出は絶対に減るから。

今回はヌケヌケと自分の家計簿を公開してみたけど、結局言いたかったことはこういうことなのかも。