「相続したあの土地、いつか売却しなくちゃなあ〜」
と、だいぶ放置してきてしまったけど、結局は2300万円以上で売ることに成功した。
その経験から、「土地を売却したときの税金算出方法」や「税金が安くなるお得な制度」について説明する。
素人目線で語るから、専門用語が苦手な人にでもわかりやすいと思うよ。土地の売却について詳しくなれれば、売却のための心構えとお金の準備ができるよ。
そもそも土地の売り方なんて、それまで売却経験のない人が知ってるわけないよね。売却した場合に儲かった利益に税金がかかるというのは、僕もなんとなく知ってたけど、その額が具体的にいくらくらいになるのかは見当もつかなかった。
もしこれを読んでるあなたが、土地の売却方法、土地を売却したときの税金のことが詳しくなくて、調べるのも面倒だからとと土地を売らずに放置してると確実に大きな損をするから言っておく。
土地を売却して儲けたお金には税金がかかる
土地の売却について調べていくと、大体の人は最初に「税金」について考えることになる。
土地を売ったあとに払わなくちゃいけない税金。売れたお金から税金を引いたら結局手元にいくら残るのか。売却利益だ。気になるよね。
僕も過去に土地を相続した経験がある。いまは幸運にも売れて、すごくスッキリしてる。
相続したのは富山県にある土地で、当時住んでいた場所からはだいぶ離れてる。住むわけにもいかなくて、駐車場とかマンション経営とか考えてみたけど、全然人気のない場所にある土地だから、有効的な活用方法が何もなかった。
相続後は、固定資産税を毎年支払って放置していた。結局売却したのは相続してから5年後。相続後決められた期間内で売却できれば、税金が安くなるという制度のことも知らずに損したよ。
いちおうは売る前に税金の計算をしていたけど、納入するときに改めてその額を見ると、やっぱりショックだったよ。普通に払ってる市民税とか所得税とはまるっきり桁の違う金額だから。
ラッキーだったのは、税金分のお金をちゃんと手元に残しておいたこと。中には土地が売れたお金をまるまる使っちゃう人もいるらしい。使い果たすと払わなくちゃいけない税金に足りず、税務署に怒られる、罰せられる。大きなトラブルになる。
だから、特に税金の算出方法は絶対に理解しておくべきだ。
土地を相続したときは相続税が発生する
土地を相続して手に入れると、相続税が発生する。相続した土地を売却するためには「相続税の申告・納税」といった手続きが必要で、この手続きが成立して初めて土地の売却が可能になるんだ。
土地を売却したことで利益がでた場合、その利益は「譲渡所得」に分類され「所得税・住民税」が課税されることになる。
この所得税と住民税は、売却した翌年の確定申告の時期(2月16日~3月15日)の間に納税する義務があるので注意だ。土地が売れた、大金が入った、嬉しくて全部使っちゃった。これだと収める税金のお金が足りなくて確実に詰むから。
相続した土地を長く保有すると税金で損する
僕のパターンだ。相続した土地を何かに活用せず、ただ放置していると「多額の固定資産税の支払い」というデメリットがある。
土地の維持費となる固定資産税は大きいよ。
土地にかかる固定資産税の例
例えば、3,000万円の土地を所有しているAさんの場合の固定資産税を表にしてみた。
固定資産税 | 3,000万×1.4%=42万円 |
---|---|
都市計画税 | 3,000万×0.4%=12万円 |
合計 | 54万円 |
Aさんは3,000万円の土地を所有していると、年間54万円の税金がかかる。売却せずに10年間放置しておくと540万円の維持費を払うわけだ。
固定資産税のことを考えれば、土地の値段を安くても早く売ったほうが得する場合も多い。
土地を売却したときの税金算出方法
僕もなかなか理解ができなかったけど、重要なことだから、税金を算出する方法をゆっくり書いてみる。
譲渡所得=譲渡価格-(取得費+譲渡費用)
これが税金を求めるときの公式だ。式についての詳細は追って説明するね。まずは項目を1つずつチェックしていく。
土地売却の「取得費」とは
取得費は、土地の購入代金や不動産取得税、登録免許税など土地を取得するときにかかった経費のことをいう。
相続で手に入れた土地は、購入代金の詳細が分からないよね。こうした取得費を算出することが難しい場合は、譲渡価格の「5%」を取得費として考える。
土地売却の「譲渡費用」とは
譲渡費用は、売却の仲介として業者に依頼して支払った仲介手数料、土地の大きさを調べる測量費などの「売却のため」に支払った経費のこと。
仲介手数料は、売買された不動産の金額によって値段が異なるよ。
売買価格が200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
---|---|
売買価格が200万円超~400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
売買価格が400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
土地売却の「所得税」とは
所得税の計算方法は「所有期間」によって分かれる。
土地を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるケースは「長期譲渡所得」という。5年以下のケースでは「短期譲渡所得」だ。
「所得税・住民税」の計算方法
平成25年1月1日からの25年間、所得税に「復興特別所得税」が導入された。復興特別税を含めた所得税の計算方法を「長期」と「短期」に分けたのがこの表。
短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 | |
---|---|---|
所得税 | 30.63% | 15.315% |
住民税 | 9% | 5% |
だいぶややこしかったと思うけど、今までの内容から具体的な例を挙げて計算してみたらわかりやすいかも。
- Aさんは相続した土地を2年間所有していた
- 今月3,000万円で売却
- 相続した土地のため取得費は不明
- 譲渡費用は300万円
譲渡所得=譲渡価格3,000万円-(取得費3,000万円×5%+譲渡費用300万円)=2,550万円
税額=2,550万円×39.63%(所得税・住民税)=約1010万円
相続した土地を3年以内に売れば税金が安くなる
具体例を挙げて所得税・住民税を計算してみたら、1000万とかって、めちゃくちゃ高くなった。普段こんなに高い税金を収めていない人には衝撃的な額だ。少しでも安くしたいはず。
相続した土地の税金を安くするための方法で、「取得費加算の特例」という制度がある。
取得費加算の特例は、支払った相続税額のうち一定額を取得費として加算できる制度のこと。取得費を増やせるから、税額が下がる。
取得費に加算する相続税額を算出する方法は説明がややこしいので、国税庁の説明を参考にしてほしい。
この特例は相続の翌日から計算して「3年10ヵ月以内」に売却することが条件になってる。だから相続した土地を売る予定の人は3年以内に売却したほうがいい。僕はこの制度を知らなかった。損したよ。
さっきのAさんが、もしこの取得費加算の特例を利用したらこうなる。
相続した土地を3年以内に売却したら125万円も税金が安くなる例
- Aさんは相続した土地を2年間所有していた
- 先月3,000万円で売却
- 取得費は不明
- 譲渡費用は300万円
- 相続税を300万円支払った
譲渡所得=譲渡価格3,000万円-(取得費3,000万円×5%+300万円+譲渡費用300万円)=2,250万円
税額=2,250万円×39.63%(所得税・住民税)=約885万円
Aさんは、取得費加算の特例のおかげで「約125万円」も税金が安くなった。
土地を売却する前に税金を算出してみよう
売却する前に、まずは土地の査定額を知り、税金の計算をしておいたほうがいい。
税金の計算はたしかにめんどくさい。でも事前に計算していないと、実際に売却したときの利益が思っていたよりも少なくなってガッカリすることになる。
売れたお金を資金に別の土地や不動産を購入するというパターンもある。税金を納入したあと、残ったお金が予定よりも少なければ、その計画もおじゃんだ。
一番最悪なのは、税金分のお金を残しておかないこと。「税金が払えない」「確定申告のときに慌ててしまう」といったトラブル・リスクを避けるために、必ずいくら税金を払うことになるか、シミュレーションしておいたほうがいい。
相続した土地を売却するときの税金について まとめ
こうして書いてきたけど、僕も土地を相続した当初は税金のことなんて全く気にしていなかった。
相続後3年以内に売却すれば、もっと税金が安くて済んだのに。土地を放置しておいたために積み重なった固定資産税も悔やまれる。気持ち的にも活用方法のない土地を抱えているのは、かなりストレスだったし。
土地を売るベストなタイミングを狙っている人も多いだろうけど、特に使い途のない土地の売りどきは、売りたいと思ってる「今」に違いないよ。